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猫におしっこトラブルが多い理由。 ◯◯を制するものは健康を制す!

猫におしっこトラブルが多い理由。 ◯◯を制するものは健康を制す!

猫はおしっこトラブルが多い!?

愛猫の膀胱炎や結石症、あるいは腎臓病などでお悩みの方も多いのではないでしょうか?

猫に多いこれらの病気は、猫の“ある特性”に起因しています。

今日は、その原因と対策法について考えていきましょう。

◯◯を制するものは健康を制す!

猫はもともと砂漠に起源をもつため、水分を積極的に飲みたがらず、おしっこを濃縮する能力も高いと言われています。

しかし、砂漠で生きていく上では重要なこの特性も、現代においては、身体中のあらゆる部分に負担をかける原因となってしまっています。

さて、水分不足になると、一体どのようなことが起きるでしょうか?

1つ目は腎臓への負担です。

腎臓というのは、体の中の血液から、不要な物質や水分をこしとるフルイのような働きを持ちます。

体内の水分が多い時は、薄いおしっことしてたくさんの量を排泄させ、水分が少ない時は、これ以上体内の水分量を減らすわけにはいかないので、尿を濃縮させて、少量だけ排泄させます。

このフルイ(腎臓)は、常に流れてくる液体を濾している状態にあるのですが、そこを流れていく液体の量が急激に減ってしまうと、フルイ自体に負担がかかってしまいます。

つまり水分摂取量が減ると、腎臓を通っていく血液の量が減少し、腎臓がダメージを受けやすくなるのです。

水分不足による2つ目の問題は、膀胱炎です。

膀胱は尿を貯めておく部分ですが、水分量が少なくなると尿が膀胱に溜まっている時間が長くなります。

すると、膀胱の中で菌が繁殖したり、結石のもととなる結晶がくっつきあったり、尿中の炎症性物質が膀胱をずっとちくちくと刺激したりすることで、細菌性膀胱炎や尿石症、特発性膀胱炎といった尿トラブルが起こりやすくなります。

 人では膀胱炎の際、とにかく水をたくさん飲んでたくさん尿を出すこと、と医師から指示されるようですが、猫においても同じです。

実は一部の尿石症療法食には、塩分が多めに含まれており、強制的に喉を乾かせ水分量を増やさせるという仕掛けがされています。

膀胱炎が起こった際に、お薬や療法食によって治療を進めるだけではなく、日頃から必要な水分量を確保することで、これらのおしっこトラブルを予防してあげましょう!

 また、もちろん腎臓や膀胱など尿に関わる臓器以外にとっても、水分は大切です。

便秘や乾燥肌、肝臓などへのダメージも起こりえます。

「でも、必要な水分量って一体どれぐらい?」「どうやって飲ませればいいの?!」

ここからは、水分不足の対策法について、一つずつ確認していきましょう! 

1日に必要な水分の量

1日に必要な水分量は体重によって異なります。

1日当たりの水分量= (体重)^3/4*70 (mL)

上記の式は、体重を3乗したものの平方根を2回とり、さらに70をかけた値となりますが…

よし!ちょっと計算してみよう!という気を起こしにくい計算式ではないでしょうか。

そんな方は、愛猫の体重に30〜50をかけてみてください。

例えば4kgの子だと200mL程度が、1日に必要なおおよその水分量となります。

4(kg)×50=200(mL)

(正確な計算方法をしっかり知りたい!という方は、こちらの動画をご覧ください。https://youtu.be/n4OXeEGE7kU)

水分の摂らせ方

200mLというと牛乳瓶1本分ですが、1日に必要な水分量は思ったよりも多かったのではないでしょうか?

水分の必要性や必要量がわかったところで、本人が水分を摂取してくれないことには始まりません。

それでは、実際に水分を摂らせる方法について考えてみましょう!

実は猫や人間を含む動物たちが、水分を摂取するルートは3つあります。

① 飲む水分

② ご飯に含まれる水分

③ 体の中で産生される代謝水

この3つそれぞれにおけるおすすめ方法をさらに細かく紹介していきます。

① “飲む水分量”を増やす

  • 容器を変える(水飲みボウルの大きさや深さ、循環型など)
  • 温度を変える(お白湯、氷を少し入れた水など)
  • シチュエーションを変える(水道から飲ませる、手ですくってあげるなど)

② “ご飯に含まれる水分量”を増やす

  • 総合栄養食のウェットフードに変える
  • ミルクやカツオの出汁を薄めたスープを与える
  • ドライフードをふやかす(※猫はあまり好みません)

③ “体の中で産生される代謝水”を増やす

  • 運動させる

代謝水というのは、体が代謝をおこなった際に産生される水分のことです。

実は、1日に必要な水分量の10%程度はこの代謝水によってまかなわれています。

この代謝水の生成量は、運動をすることで増加させることができます。

(5kgの子だと5mのシャトルランを20回やると80kcalほど消費し、10mL程度の代謝水が生成されます。)

 このように水分摂取には様々な方法があるので、水を飲ませる以外にもいろいろな方法を試してみてください!

注意点

「うちの子は、何にも言わなくてもめちゃくちゃ水を飲んでいるから安心!」

と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、必要量以上に水分を求めていたり、以前より飲水量が急激に増えたという場合は注意が必要です。

もしかすると“多飲多尿”といって、とにかく喉が渇き、よく飲み、よく排尿する状態になっているかもしれません。

多飲多尿には糖尿病や腎臓病、ホルモン疾患などといった病気が隠れている場合がありますので、以前と比べて飲む量やおしっこの量が変わったという場合は病院を受診し、血液検査・尿検査などをしてもらうことをおすすめします。

 ぜひ、水分という身近なところから猫ちゃんの健康管理を実践してみてください!